創造都市学会の可能性について  富 沢


クリエイティブシティが、結果として様々な問題を解決するということもありますが、私たちは食べていかなければなりません。高齢化社会を迎えて、都市の財源が豊かでなければ、同じお金を公的介護保険に払っても受けられる給付が違ってきます。豊かで楽しい生活を送るためにも経済の活性化が不可欠だと思います。ですから、佐々木先生が3つに整理したことは当然ありますが、その背景に経済の活性化が行われて、環境的にも気持ち的にも豊かな町が実現していくと思います。なぜ、クリエイティブシティをやらなければならないのか。それが、どうやって私たちの生活をアートでも豊かにし、経済でも豊かにするのか。だから、ここに呼び水的にお金をつけなければいけないのかというようなことをもっとみんなが納得する形で検討していくことが大事なのではないでしょうか。もともといろいろなものを生み出すインキュベーターのような性格があるのが都市だと思います。それは、様々な考え方や文化や古いもの、新しいものがぶつかり合える場所。そういう懐の大きいのが都市だと思います。いなかは、異文化を排除する部分があります。懐を奥深く入れ込むことでフュージョンを起こせるのが都市の特色だと思います。それをよりいい方向に持っていくのが創造都市なのではないでしょうか。それを磨き上げるという意味で非常に期待したいと思っています。