アムステルダムの事例  ドス・エルシャウト

アートワークという考え方は、そもそも20年前にアムステルダムで始まったものです。年に1回、1日だけのイベントを始めたのです。ニューアートというものをつくり成功しました。現在では3日間に拡張され、前向きな形で文化の民主化というものをみてもらいます。全員参加型で、群衆が集まる人気のあるイベントとなりました。大衆アート、パフォーミングアート、コンサート、様々なアートが導入されています。私自身も中心地に住んでいるので、このイベントに参加して見ることができます。大変なのは群衆をコントロールすることです。たくさんの人が来すぎるので、コントロールすることもなかなか難しいのです。このイベントをさらに拡大すべきなのか、どこまでやっていけるのかを今後もまだまだ考えていかなければなりません。しかし、非常におもしろいイベントができたと思います。

常に私は自問しているのですが、このイベントに参加する人たちがオランダのいろいろな町からアムステルダムに集まってきます。その人たちに本当のパフォーマンスを見せることができるのか、またお金を出してチケットを買ってほしいといったならば、来てくれるのかというようなことも考えていかなければいけないことだと思います。もう一つの問題点は、商業主義、政策の持っている商業的な側面です。政府は常にお金が不足していて、文化的なものへの予算が少ないのです。したがって、文化制度とか施設というものはいつも不平をいっています。オランダにおいては、毎年、政府は総予算の1%を文化に当てています。フランス、イギリスと比較すると多いと思いますが、それでも常に市場、商業化ということを考えていかなければいけません。ビジネスアプローチということもこの10年間で問われるようになりました。ビジネスアプローチをどこまで進めるべきなのか。アーティストの純粋性というものをどのように維持していくのか。その2つのコンビネーションはどうなのかということも問題になります。

なぜ私がウエストハースの事例を取り上げたのかといいますと、組織的におもしろいと思ったからです。全体的な立地ですがアムステルダムの西側に位置しており、地方分権型になっています。この郡の方が実際に西側の各政策立案の責任を持っています。彼らは4年ほど前にこのようなことをやるのが正しいのかということを論議しました。また、様々な施設やコミュニティに対してこれらを商業化したらどうかと提案して、組織も関与することにより、さらに資金調達できるようにしたのです。このような組織が建物を借りて演劇をするためのスペースをつくりだしました。これは非常に成功しています。一人の女性が責任を持って行ったのです。実際にリーダーシップをとるのが誰かという個人の力も関わってきます。そうでなければ最悪の状況になることもあるからです。関心がある人がいつでも好きな時に来れるようにする。アートがどういう形で実施されているのか見ることができるということです。もちろんプログラムを変更することも行われています。長期間行うのではなく、2〜3ヶ月でプログラムを変え、今度は他の会社に引き渡し内容を変えています。そうすることによって、いつもライブでやることができるのです。また組織をつくったことでひとつの公式を作り出したのです。佐々木先生もおっしゃいましたが、民間と政府との協力がここで実を結んだということになります。オランダにおいては、産官が文化的に手を結ぶというのは、これまでは大変難しかったということがありました。しかし、この事例の場合は、その構成が故に非常に市町村のディストリクトのレベルにおいて責任を持ったという形で、これらを他の企業に貸し、産官の協力がなされたのです。公式としては非常に成功した例です。これは皆さんの関心を引くのではないかと思っています。最後にビデオの一部を見ていただきます。様々なイベントがここで紹介されています。

状況がインスパイアリングになりうるかということがおわかりいただけたと思います。商業的機関でスペースを貸し出すところがあります。非常にすばらしいのは様々な価格帯でそれを貸し出しているということです。商業的な機関は同じスペースを確保するためには、その他の子会社に比べて高い金額を払っています。これはオランダでは理解されていることなのです。商業的な機関であれば、イメージのためにお金を払うことを惜しみません。雰囲気のために文化的なものにもお金を払うわけです。しかし、文化的な機関はこのようなフィルムを撮影する資金が十分でないことがあります。様々な価格帯があり、そういう状況をオランダ国民は受け入れています。アムステルダムではさらなるプランとして、新しい音楽センターを建設する計画があります。金沢でもコンサートホールが建設されているということですが、小さな会社がその音楽のインプロバイゼーションを行っています。編曲です。そして、もうひとつのタイプの音楽がありますが、2つのタイプの音楽をひとつの構造体の中でやっていこうというものです。これがどのようにうまくいくか、ひとつのスペース、ひとつの建物の中で異なった2つの種類の音楽をどのように融合させるがかテーマとなっています。そして、一方のオーディエンスと他方のオーディエンスがどのように相互に作用を及ぼすかということです。これは構造的なことではなく、経済的にも成功をおさめたいのです。