フランスの医療制度は「ユニバーサルヘルスケア」として世界的に評価が高いけれど、日本と比べるとその仕組みが少し複雑なんだ。特に、移住者やフリーランスが健康保険に加入するには、いくつかの手続きを経る必要がある。今回は、フランスの健康保険制度の基本情報から、実際の加入方法、自己負担額を抑えるコツまで詳しく解説していくよ!
目次
フランスの医療制度の基本
フランスの公的医療保険「Sécurité Sociale」
フランスの公的医療保険「Sécurité Sociale」は、全国民が加入できる医療制度で、病院の診察や薬代の一部が補助される仕組みだよ。加入者は健康保険カード「Carte Vitale」を使って、医療費の一部を自己負担し、残りは保険でカバーされるんだ。フリーランスや自営業者も対象だけど、職業ごとに管轄が異なるから登録手続きが必要。猫太郎も最初は手続きに苦労したけど、一度登録すると便利で安心して医療を受けられるよ!
公的保険のカバー範囲
フランスの公的医療保険「Sécurité Sociale」は、多くの医療費をカバーしてくれるけど、全額無料というわけじゃないんだ。一般的な診察や薬代、入院費の一部が補助される仕組みで、自己負担分はMutuelle(民間補完保険)に加入すればさらに軽減できるよ。猫太郎も最初はどこまで保険でカバーされるのか分からず戸惑ったけど、基本を押さえれば意外とシンプル。では、具体的にどんな医療費が対象になるのか見ていこう!
- 診察費:約70%がカバー
- 入院費:約80%カバー
- 処方薬:薬の種類によるが約65〜100%カバー といった具合。

初めてフランスの病院に行ったとき、日本の健康保険と勝手が違って戸惑ったんだにゃ。特に、診察代を一度全額払って、後から払い戻しを受ける仕組みが最初は慣れなかったよ。
フランスで健康保険に加入する方法
CPAM(健康保険機関)への登録
フランスで公的医療保険を利用するには、まず健康保険機関「CPAM(Caisse Primaire d’Assurance Maladie)」に登録する必要があるよ。これは地域ごとに設置されていて、居住地を管轄するCPAMに申請するんだ。必要書類には、パスポート、滞在許可証(Titre de séjour)、フランスの銀行口座情報、出生証明書(法定翻訳付き)などがあるよ。猫太郎も登録時に書類不備で手間取ったけど、事前にリストを確認しておけばスムーズに進められるよ!提出書類は以下の通り。
- パスポート
- 滞在許可証(Titre de séjour)
- 住所証明(賃貸契約書や電気・水道の請求書)
- RIB(銀行口座情報)
- 出生証明書(日本で発行されたものをフランス語訳付きで提出)
申請から加入までの流れ
フランスの公的医療保険に加入するには、まずCPAMに申請し、承認を待つ必要があるよ。申請後、書類審査が行われ、問題なければ数週間〜数ヶ月で加入が認められるんだ。登録が完了すると、健康保険番号が発行され、その後「Carte Vitale(健康保険カード)」を申請できるよ。
- CPAMの窓口または郵送で申請
- 数ヶ月後に「社会保障番号(Numéro de Sécurité Sociale)」が発行される
- その後「Vitaleカード」が送られてくる

CPAMへの申請は時間がかかると聞いていたけど、本当にそうだった!申請からカードを受け取るまでに3ヶ月ほどかかったけど、一度手に入れれば医療費の精算がスムーズになるから、早めに手続きを済ませるのがポイントだよ!
Mutuelle(補完医療保険)とは?
フランスの公的医療保険では、すべての医療費がカバーされるわけではないんだ。そこで多くの人が利用しているのが「Mutuelle(ミュチュエル)」と呼ばれる補完医療保険。これは、公的保険でカバーされない自己負担分を補助してくれる民間保険のことだよ。猫太郎も最初は「本当に必要?」と思ってたけど、歯科や眼科の治療費が高額になると知ってすぐに加入したんだ。では、Mutuelleの具体的な仕組みを詳しく見ていこう!
Mutuelleの仕組み
公的保険でカバーされない自己負担額を補うために、多くのフランス人が加入するのが「Mutuelle(ミュチュエル)」だよ。これは民間の健康保険で、会社員なら雇用主が負担してくれることも多い。
加入のメリット
- 公的保険の自己負担分をカバー
- 入院時の個室料金を補助
- 歯科・眼科治療も充実

フランスでメガネを作ったとき、Mutuelleなしだと高額になって驚いたよ。Mutuelleに入っていたおかげで、大部分の費用がカバーされて助かった!
フランスの医療費の仕組みと自己負担額
フランスでは、公的医療保険とMutuelleを組み合わせることで、医療費の負担を軽減できるんだ。でも、すべての医療費が無料になるわけではなく、自己負担額が発生するケースもあるよ。例えば、一般的な診察や治療の際には、一時的に全額を支払い、その後保険機関から払い戻しを受ける仕組みなんだ。猫太郎も最初はこのシステムに戸惑ったけど、Carte Vitaleを使えば精算がスムーズになるとわかって、安心して医療機関を利用できるようになったよ!
診察・治療費の支払い方
フランスでは、診察費をまず自分で支払って、後から払い戻しを受ける仕組みになっている。この払い戻しはCPAMとMutuelleの両方から受けることができるよ。
医療費の払い戻し手続き
- 医療機関で診察を受ける
- その場で診察代を支払う
- Vitaleカードを提示するとCPAMが自動で払い戻しを処理
- 残りの自己負担分はMutuelleが補填(加入している場合)
日本とフランスの薬・医療システムの違い
フランスと日本では、医療機関の利用方法や薬の入手方法に結構違いがあるよ!
まず、日本では病院で診察を受けた後、処方箋をもらって薬局で薬を買うのが一般的。だけど、フランスでは軽い風邪や頭痛くらいなら、まず薬局(Pharmacie)へ直行!薬剤師が症状を聞いて適切な薬を勧めてくれるし、処方箋なしでもある程度の薬は購入できるんだ。
ただし、フランスの薬は日本より成分が強いことが多いから、用法・用量をしっかり確認するのが大事!胃薬や風邪薬でも、日本では処方箋が必要な成分が普通に市販されていることもあるから、最初は戸惑うかもしれないね。
さらに、病院で診察を受けてもその場で薬はもらえず、処方箋を持って薬局に行くシステムなのは日本と共通。でも、フランスは医療費の還付制度があるから、後から費用の一部が戻ってくる点は大きな違いだよ!

フリーランス・自営業者向けの健康保険
フランスでは、フリーランスや自営業者も公的健康保険(Sécurité Sociale)に加入できるけど、会社員とは異なる手続きが必要だよ。フリーランスの場合、自身で社会保険の登録を行い、収入に応じた保険料を納める仕組みになっているんだ。
また、以前はフリーランス専用の健康保険機関(RSI)があったけど、今は一般の健康保険機関(CPAM)に統合されたから、手続きがよりシンプルになったよ。健康保険の適用範囲は会社員と同じだけど、還付率や社会保障の内容が異なる点には注意が必要だね。
フリーランスの健康保険制度
フリーランスや自営業者は、一般の労働者とは異なる手続きで健康保険に加入する必要があるよ。
- CPAMに登録して公的保険に加入
- Mutuelleも個人で選んで加入
事業登録と健康保険の関係
フリーランスとしてフランスで働く場合、事業登録を済ませないと健康保険に加入できないから要注意!フランスでは、社会保険(Sécurité Sociale)に登録するために、まずSIRET番号(事業者識別番号)を取得する必要があるんだ。
事業登録が完了すると、健康保険機関(CPAM)への登録手続きが可能になるよ。収入に応じて保険料が決まるから、事業が軌道に乗る前でも早めに手続きを進めておこう!

フリーランスになってからの社会保障費が思ったより高くて驚いたよ。でも、その分しっかりした医療制度があるのは安心だね。
フランスの救急医療と緊急時の対応
前にフランスでの医療保険や医療のことを説明したんだけど、フランスでは、緊急時の医療対応が整っていて、救急車の利用や緊急医療が無料で受けられるんだ。
救急車の利用
フランスでは、救急車(SAMU)を呼ぶと無料で対応してくれる。ただし、緊急性がない場合は有料になることもあるよ。
夜間や休日の医療対応
フランスでは、(日本もそうだけど)夜間や休日は通常の病院が閉まっていることが多い。そのため、
- 夜間診療を受け付ける「SOS Médecins」(ソス・メドゥサン)
- 薬局での応急処置 などを活用しよう。
SOS Médecins(ソス・メドゥサン)とは
「SOS Médecins」は、フランスの夜間・休日診療を行う往診医療サービスのことだよ。救急車を呼ぶほどではないけど、病院に行けないときに自宅まで医師が診察に来てくれる便利なシステムなんだ。
📞 「36 24」は、このサービスの全国共通の電話番号!
フランス全土で利用できて、24時間365日対応しているよ。ただし、利用には費用がかかることが多いから、公的医療保険やMutuelleでカバーされるかを確認しておくと安心だね。
フランスの薬局(Pharmacie)のこと
フランスの薬局(Pharmacie)は、通常の営業時間は9:00〜19:00ごろまでのところが多いよ。でも、日本みたいに24時間営業の薬局はほとんどないんだ。
一般的な営業時間:
★月〜土曜:9:00〜19:00(昼休みで14:00〜15:00ごろ閉まるところもある)
★日曜・祝日は基本的に休み
でも、「夜や休日に急に薬が必要!」というときのために、「Pharmacie de Garde(夜間・日曜営業の当番薬局)」があるよ!これは地域ごとに指定された薬局が、夜間・休日でも開いているシステム。
当番薬局を探す方法:
★最寄りの薬局に「今夜の当番薬局」の張り紙があることが多い
★「36 15」または「3237」に電話して確認
★インターネットで「Pharmacie de Garde + 地域名」で検索

夜中に歯の痛みでどうしようもなくなったことがあるんだけど、「SOS Médecins」に電話したら、深夜でも診てくれる先生がいて助かったよ!
まとめ
フランスの医療制度は、日本とは違い、公的医療保険(Sécurité Sociale)だけでは自己負担が発生する仕組み。そのため、多くの人が補完保険(Mutuelle)にも加入して、負担を軽減しているよ。診察や薬の支払い方法も異なり、いったん自己負担して後から保険の払い戻しを受けるのが基本なんだ。フリーランスや自営業者の場合は、事業登録と同時に健康保険の手続きをする必要があるから、うっかり忘れないように気をつけてね。救急医療は整っているけれど、薬局は24時間営業ではないことが多いから、急な病気やケガに備えて、事前に利用できる薬局をチェックしておくのも大事。フランスでの医療制度をしっかり理解して、安心して暮らせる環境を整えよう!