金沢創造都市会議のあゆみ

●平成9年4月
金沢経済同友会40周年記念式典にて40周年記念事業として「金沢都市文化会議(金沢ラウンド)」を提唱。その後正式名称を「金沢創造都市会議」と改める。

【基本コンセプト】
世界から創造的な人々が金沢に集い、都市文化、都市政策について論じ、語り合い、交流し、21世紀の世界の都市問題解決に寄与する提言を発表する、世界の都市に向けた、ひらかれた継続的国際会議。

●平成11年3月
第1回プレシンポジウムを開催(3月24日/石川県地場産業振興センター新館)。講師にドス・エルシャウト氏(アムステルダム大学)、アンソニー・サージャント氏(バーミンガム都市協議会)、富沢木実氏(社会基盤研究所)、佐々木雅幸氏(金沢大学:当時)を迎え、各氏プレゼンテーションに続き、「金沢ラウンド開催の可能性について」をテーマにパネルディスカッションを開催。基本構想および構造、創造都市学会設立などが発案される。

●平成12年3月
第2回プレシンポジウムを開催(3月11日・12日/石川県地場産業振興センター新館、ひがし茶屋街)。チェアパーソンに佐々木雅幸氏、講師に荒川哲生氏、川勝平太氏、竹村真一氏、田中優子氏、野村万之丞氏、松岡正剛氏、地元関係者からコーディネーターとして大場吉美氏、金森千榮子氏、小林忠雄氏、水野一郎氏、米沢寛氏を迎え開催。メインテーマを「都心(みやこごころ)」とし、第1部は各氏のプレゼンテーションに続き、「都心に遊ぶ」「都心のメディア」「都心の空間」の3つの分科会にわかれて、創造都市にとっての魅力ある都心は、どのようにあるべきかについて議論。第2部分科会として、ひがし茶屋街のお茶屋を会場に「都心に仕掛ける」のテーマのもと、第1部の討論をさらに深めた。

●平成13年2月
第3回プレシンポジウムを開催(2月22日・23日/石川県地場産業振興センター新館、ひがし茶屋街)。チェアパーソンに水野一郎氏、講師に市村次夫氏、伊藤光男氏、川勝平太氏、小林忠雄氏、竹村真一氏、松岡正剛氏、山口裕美氏、米井裕一氏、米沢寛氏、モデレーターに大内浩氏、金森千榮子氏、佐々木雅幸氏を迎え開催。メインテーマを「都心(みやこごころ)2」とし、「都心で実験してみたいこと」「これから議論するテーマは何か」「創造都市とは何か」の3つの分科会にわかれて議論。2001年度の本会議開催に向けて、具体的なテーマや創造都市の定義について議論し、実際に解決すべき課題や進むべき方向について、意見を交わした。

●平成13年11月
第1回金沢創造都市会議を開催(15日〜17日/金沢市民芸術村、金沢全日空ホテル)。メーンテーマを「記憶に学ぶ」とし、チェアパーソン大内浩氏と赤坂憲雄氏による記念対談「都市の記憶と創造力」や、武光誠・水野一郎両氏による「金沢の構造」、猪木武徳・佐々木雅幸両氏による「金沢の経済」、野村万之丞・金森千榮子両氏による「金沢のこころ」、松岡正剛・小林忠雄両氏による「金沢の遊び」の各分科会などを行う。
この会議では、「記憶」から引き出される金沢らしさを語り伝えていくことの必要性を確認するとともに、各界からの参加を求めて「金沢学会」を創設し、金沢の「記憶」を掘り下げ、個性豊かな金沢の創造に向けて提言していくとする「金沢創造都市会議2001宣言」を採択した。また、広く公開の場で議論する「金沢創造都市会議」と、会員が研究・提言する場である「金沢学会」を毎年交互に開催していくことになった。。

●平成14年11月
金沢学会を創設、第1回金沢学会開催(28日・29日/金沢全日空ホテル、香林坊ハーバー)。「金沢創造都市会議2001宣言」に基づき、金沢内外の有識者等の会員で構成する「金沢学会」が創設され、11月に川勝平太氏を議長に「美しい金沢づくり」をテーマとして「第1回金沢学会」が開催された。 ここでは大内浩氏から「金沢の夜景をデザインする」、米沢寛氏から「大手門中通の再生」、水野一郎氏から「4つの花道−美しいアプローチ路形成」、福光松太郎氏から「香林坊界わいの賑わいづくり」の4つのまちづくり提案が行われ、山出金沢市長も交えて議論を行った。 また中・長期的な取り組みとして「尊経閣文庫の金沢への誘致」が提言された。
これらの実現を目指すことをうたった「金沢学会宣言2002」を採択した。

●平成15年11月
第2回金沢創造都市会議を開催(27日・28日/金沢全日空ホテル)。メーンテーマを「都心居住と創造都市」とし、山本理顕・三宅理一両氏による基調対談と、松村秀一・木虎徹・水野一郎の3氏による「コンバージョンによる金沢の都心活性化」、永井多恵子・佐々木雅幸両氏による「都心のにぎわいと暮らしぶり」、蓑原敬・大内浩両氏による「都心再生のプログラム」の3つの分科会及び全体会議が行われた。その結果、金沢独特の「風情」ある都心づくりに取り組むこと、町づくり事業には町衆の心意気が必要であることを骨子とする「金沢創造都市会議2003宣言」を採択した。
また、第1回金沢学会でのまちづくり提案を受けて、ワーキンググループで検討を進めてきた『「金沢らしいあかり」を考える社会実験』『「大手門中町通りの再生」河北門復元CG製作』『「香林坊界わい賑わいづくり」中央公園オープンカフェ実験』の3ワークショップの報告が行われた。

●平成16年12月
第2回金沢学会を開催(2日・3日/金沢21世紀美術館、金沢全日空ホテル)。メーンテーマを「都市の風格」とし、課題1「都心のデッサン」では、大内浩氏が「都心のコンバージョンの基本的な考え方」、水野一郎氏が「インフラのコンバージョン」と題して問題提起を行い、課題2「活性化の仕掛け」では、佐々木雅幸氏が「活性化の仕掛けに関する基本的な考え方」、小松俊昭・宮田人司の両氏が「家守事業による活性化」と題して問題提起を行い、それぞれ活発な意見交換が行われた。
続いて山出金沢市長を交えてまとめ討議が行われ、都市の風格を高めるためには、ふるさと教育や金沢の文化遺産の世界遺産登録を目指す運動、都心空洞化対策といった各論の着実な積み重ねが肝要であること、新たな行政支援策や心ある町衆の力で「家守制度」などの具体的な都心空洞化対策を展開するとする、「金沢学会2004宣言」が採択された。
 
●平成17年11月
第3回金沢創造都市会議を開催(24日・25日/金沢全日空ホテル)。メーンテーマを「都市遺産の価値創造」とし、「都市遺産の使いみち」、「都市遺産で演じる」、「都市遺産からの刺激」の3つの分科会と全体会議が行われ、歴史文化に根ざしたその都市固有の個性や有形無形の地域資源といった「都市遺産」の現状や内外の取り組みを紹介しながら、「都市遺産」を活かした金沢都心の再生について幅広く議論し建設的な提言を行った。その議論をもとに、都市遺産を財産に変えるには、まず遺産の価値に気づくこと、遺産を大切にすること、遺産を見つけ出すという三つのことが重要だとする「金沢創造都市2005宣言」を採択した。
また、第1回及び第2回金沢学会で提案されたプロジェクトにかかわるその後の取り組みや、関連した動きについての報告も行われた。
 
●平成18年12月
第3回金沢学会(7日・8日/金沢エクセルホテル東急)は「都市の引力」をメーンテーマとして開催された。「都市の引力」にはサブタイトルとして、「もてなしのチカラ、仕掛けのチカラ、芸のチカラ」があるとし、3つの分科会ではゲストを交えて、様々な視点から「都市の引力」を深める方策をめぐって議論を深めた。全体会議には山出金沢市長も加わってさらに議論を深め、まとめ討議を経て、北陸新幹線の金沢開業で心配されるストロー現象を防ぐために、金沢の「引力」を強める必要がある。その引力を充分に発揮する「隠し味」として、住んでいる人たちが地元の価値を知ること、都市に艶が必要なこと、住民の「ふるさと愛」が重要であること。心ある経済人が知恵を出し合い、金沢ならではの仕組みを築き、持てる力を強める具体的な方策に取り組んでいこうとする「金沢学会2006宣言」が採択された。
 
  
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