第8回金沢学会

金沢学会2016 >開会あいさつ

開会あいさつ

■開会あいさつ

 

 

 

金沢創造都市会議開催委員会会長
一般社団法人金沢経済同友会代表幹事
安宅 建樹

 ただ今ご紹介いただきました金沢経済同友会代表幹事の安宅でございます。開会に当たり一言ごあいさつを申し上げたいと思います。まず本日はお忙しい中、多彩なゲストの皆様にお集まりいただきまして心から御礼を申し上げます。
 金沢学会は金沢創造都市会議と毎年交互に開催しております。プレシンポジウム3回を含め、全体としては今回が19回目、金沢学会としては8回目となるわけです。現在国内に44の経済同友会がありますが、単一の経済同友会がこのような会を主導して行政の協力を得ながら積み重ねてきた事例は聞いておりません。金沢経済同友会の活動だけだと思っています。しかも、金沢市が創造都市ネットワークに登録されるという成果も上げて、われわれとしましては大きな成果があったと自負しているところです。
 昨年の今頃、第8回の金沢創造都市会議が開かれました。「2020文化プログラム」を総合テーマとしまして2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに合わせて開催されます文化プログラムの在り方について議論を深めていただきました。しかし、この地における行政サイドの対応はまだまだ遅れ気味ということでした。これについてはわれわれ民間サイドからさらにプッシュするということで、今日ご出席の皆さまのご協力を頂きまして、文化庁長官の宮田亮平先生にも出ていただきまして、本年9月に金沢経済同友会が主催し、シンポジウム「2020石川文化プログラムに向けて」を開催させていただきました。
 このシンポジウムでは発表や討論の結果をいろいろ受けまして、二つのアジェンダを採択しました。一つは、市民、文化団体、経済団体、行政が連携して文化プログラムを開催し、創造性あふれる文化イベントの展開により地域創生と日本再生に貢献していくことです。二つ目は、かつてない規模と多彩な内容の文化イベントを展開するために市民、文化団体、経済団体、行政が連携しまして、石川県にアーツカウンシルを設立することを決めています。
 金沢創造都市会議と金沢学会でここ数年、議論の対象として取り上げ、いわば私たちが先導する形を取ってきました。2020年に向けた文化プログラムは、いよいよ実践の段階に入っていくわけです。この文化プログラムについても、またもう一つは東京国立近代美術館工芸館の金沢移転ということもありますが、その文化プログラムや工芸館の移転後の発信力というものが、本日のテーマである「金沢ネクスト・ステージ」の鍵を握ることになると思っています。金沢経済同友会としましても、関わりを強めてしっかりと応援していきたいという思いです。
 さて、昨年3月に北陸新幹線金沢開業が実現しました。予想を超える観光客の方に来ていただきました。これは大変よろしいことかと思いますけども、金沢経済同友会としましては、いたずらに観光客に迎合するような観光立県、観光都市ではなく、文化に根差した文化立県、文化都市を指向していこうと主張してきました。
 かねてからわれわれは、歴史と文化を大切にしたふるさとづくりを活動の基本に置いてきました。観光という一過性のブームに振り回されることなく、本物の日本、本物の文化、あるいは創造性あふれる文化を求める内外の人たちを引き付けていきたいという思いです。幸い私たちの提言を受けまして、石川県は昨年、全国最大規模の120億円の基金を持つ「いしかわ文化振興条例」を制定しました。向こう10年を年次とする長期構想の中でも、重点戦略の一つとして個性と魅力あふれる文化と学術の地域づくりを盛り込んでいただきました。
 また、金沢市も今年度、「金沢市における文化の人づくりの推進に関する条例」を制定されました。「文化の人づくり基金」も創設していただきました。いずれもわれわれが願っている方向に、行政も進んでいただいていると思っています。今回の金沢学会の総合テーマ「金沢ネクスト・ステージ」も、金沢の文化や創造性で次の高みを目指すものと思います。どうか実りある議論を期待しているところです。
 1日半の短い間ですが、しっかりと皆さんのご意見を聞かせていただいて、また地域の活動にそれを活用していきたいと思います。ぜひ皆さん、忌憚のない有意義なご意見を頂きますように心からお願いを申し上げまして、開会のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました(拍手)。


創造都市会議TOP


第一日目  12月8日

第二日目  12月9日

Copyright
金沢創造都市会議