■モデレーター プレゼンテーション
●佐々木雅幸
 セッション3のテーマは「創造都市とは何か」ということで、私が今研究テーマにしておりますのは、この創造都市ということであります。ヨーロッパあるいはアジアの創造都市の研究をしている方々とも、あちこちで交流をしていますが、日本でも創造都市という言葉はかなり定着しています。私はそれがこの今の時代の危機を表していると思っているのです。つまり、世紀末から続く非常に深い日本の社会の危機というものがあるものですから、今よく売れる本は、破滅や破産や危機ということをタイトルにした本か、あるいは再生や創造など、どちらかです。私どもはこの創造都市という概念をもう少し明確にしながら、同時に幅広くこの考え方を概念的というか理論的に深めるということと、それをより応用可能にしていくという、この2つのやや欲張った方向性を出してみたいと思っております。
 昨年、イギリスとイタリアとドイツの研究グループが『クリエイティブシティ』という本を出すなど、ヨーロッパでもそういう方向の議論が90年代初頭から広まってきています。金沢では昨年の10月に、アジアにおける創造都市のあり方をシンポジウムでやりました。このときは韓国とマレーシアとネパールからお集まりいただき、そして金沢というかたちで議論したわけですが、これを3年間計画くらいで、さらにタイやスリランカなど、いくつか希望しているところがありますので、広めていこうということになっており、ヨーロッパやアジア規模で、こういうテーマで議論が可能であるという感触を得ております。そういう意味で、グローバルな新しい都市のあり方を探るという議論を金沢からやってみるということで、来年の本番がいよいよ楽しくなってきました。  それから分科会では、金沢の21世紀初頭の都心というものについても議論をしてみたいと思っています。その場合に、やはり県庁の跡地、その周辺の市役所の隣にあります旧金沢大学附属小中学校の跡地、こういうところが私の言葉で言いますとクリエイティブスペース、創造的な空間にできるかどうかということが、金沢の創造都市の将来を決める非常に大きな要因ではないかと思っております。その際に今そのうちの1つのスペースとして、コンテンポラリーアートミュージアムが作られるわけです。ともすれば金沢は伝統工芸や伝統的芸能、あるいは和の空間については京都に次ぐ、あるいは京都を一部凌ぐものもあるということで大変自信を持ってきました。現代芸術ということについて見ると、ややそうした面 の集積といいますか、あるいはそれを受け止める力が弱いのではないかという批判がずっとあったわけです。私はこれは率直に認めなければいけないと思うわけですが、しかし、この分野に大胆に金沢が挑戦して、例えば金沢の現代美術館は、規模つまり量 的なものではなくて質の面で非常に意味のある、そういう問題提起ができる、あるいはそういうアーティストが集える、市民の中にもそうしたアーティストを支えるきっかけが出てくるような取り組みが今非常に大事になっている気がします。大体2003年か2004年にオープンという予定なので、この会議の進捗の中で、やはり金沢の都心を創造的にできるかどうかという重要なテーマでありますので、ぜひそういう問題についても率直に意見交換をし、深めていくことができればというのが一つ考えていることであります。
 それから、今回は前回に引き続いて多数のいわゆるコアメンバーの方にお越しいただいておりますし、さらに新しいメンバーの方にもお越しいただいておりますので、その意味では、都市の規模にかかわらず幅の広い議論をぜひやってみたいと考えております。
  
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金沢ラウンド誕生について
パネリストプロフィール
モデレータープロフィール
開会あいさつ
福光松太郎
プレゼンテーション
 水野一郎
 伊藤光男
 竹村真一
 米沢 寛
 金森千榮子
 市村次夫
 川勝平太
 小林忠雄
 大内 浩
 松岡正剛
 山口裕美  
 米井裕一
 佐々木雅幸
●セッション1
都心で実験してみたいこと
●セッション2
これから議論すべきテーマは何か
●セッション3
創造都市とは何か
 
全体会議のまとめ
委員長総括
実行準備委員会