■開会式およびプレゼンテーション
●福光松太郎

 平成8年、金沢経済同友会の40周年の際に、金沢を舞台にして世界の都市問題を議論する場を金沢に作ったらどうかという思いが出てきまして、それ以降いろいろ検討をしながら準備を進めており、少し説明を申し上げたいと思います。
  これにあたりましては石川県、金沢市のご助力をいただいております。また、金沢市商工会議所、金沢青年会議所にもご参加をいただいております。それから金沢大学、金沢工業大学、金沢学院大学、金沢美術大学などの大学と皆様のご協力を得ながら、これまで実行準備委員会を進めてまいりました。
  昨年のちょうど今ごろに第1回の準備プレシンポジウムを開催しました。国際的な海外の都市の問題を一緒に議論をしてみる練習ということで、バーミンガムとアムステルダムから都市政策者をお招きして、ちょうどこの場で議論をいたしました。そのときにもこういう金沢創造都市会議というものができれば、ぜひ、参加したいというお言葉もいただきました。
  今回は第2回として、ひとつ国内の皆様と一緒にディスカッションをしようという企画になりました。ちょうどこのところ各地方都市、あるいはこの町もそうですが、都心のこれからをどうしていくか。空洞化という言葉がいいのかどうかはわかりませんが、これからどのようにして都心を意味づけていくかについて、各都市が非常に困難をきわめているということで、海外の都市は私はどうなのか不勉強でわかりませんが、そういうことから第2回のプレシンポジウムのメインテーマを都心としたものです。そこのところ、都心(みやこごころ)という考え方も取れるということで、そういうルビをふらせていただいております。
  そういうかたちで、この第2回のプレシンポジウムを開催させていただきます。今日は地元から、こちらからお願いをして参加していただいたばかりでございます。決して聞く役割ではなくて、議論をしていただくお役割でございます。どうぞ忌憚のないご意見をお出しいただきますように、分科会、全体会議などを通 じましてお願いを申し上げたいと思います。そして今回の第2回のプレシンポジウムには、金沢大学の佐々木教授に議長をお願いしました。それでは今から簡単に、「金沢ラウンドとは」というスライドがありますので、説明をさせていただきます。

●都市問題というのはいろいろあるのですが、都市政策から、交通 問題から、文化問題から、あるいは芸能の面もある。さまざまな面のことを議論しあおうではないか。その中から、これからの都市の問題を解くいろいろなアイデアが得られるのではないか、そう思ってご提唱をしております。

●できれば、国境を超えて、専門分野を超えて、かなり楽なスタイルで組織を超えて、そのように集まっていただいて、いろいろな世界的な創造都市のアクセスポイントが金沢だといったような、そのような格好になればと思っております。

●かなり楽なスタイルで議論を行っていくべきではないかと思っておりまして、そういう意味で円卓会議に近いようなかたちの名称ということで、通 称「金沢ラウンド」と、金沢経済同友会の中ではそのように言っています。

●この金沢で開くというのは、特に金沢でなくてもいいのですが、今のところ金沢が東京を別 にすれば、やや江戸らしいという面もあって、伝統的なものやさまざまな物を作る力というものがまだ多少残っているというわけで、こういう議論の場にひとつ声をあげるのにふさわしいのではないかと我々は思っているわけです。

●創造都市というのがどういう定義かというと、自立した経済基盤と個性的な文化を育む創造性あふれる都市ということで、これは明日、また佐々木議長からもお話が出ると思いますが、これから持続可能な都市の最も大切な面 が創造性ではないかという見方をしておりまして、そういう意味で創造都市ということが定義だとしますと、都市の規模とあまり関係なく都市がネットワークできるという面 がおもしろいのではないかということで、創造都市が集まって都市のいろいろな面 を議論しあう、そのように思っております。

●できれば参加していただく方を定常メンバーとして、大体8割くらいは毎回顔を合わせていただく。その方が議論が深まるのではないかと思っております。そのメンバーという根拠を、できれば「金沢都市創造学会」といったようなものを民間、産官学芸といういろいろな方が交じった、やわらかな学会というものを作って、その事務局が将来、情報発信や情報編集やこの会議の運営などをできれば最も理想的だと考えております。今回はこういう分科会と明日の全体会議で作っておりますが、先々いろいろな形態も考えられます。必ずしもこういうホールでする必要もないと思いますし、場の設定もいろいろと考えられると思います。

●今日は2000年ですが、年度はまだ1999年度のプレシンポジウムです。2000年度中にもう一回実験をするか、もう次の2001年の本番に持っていくか、まだ検討の余地を残している、そういう段階です。以上、簡単に「金沢創造都市会議」というものを説明させていただきました。ありがとうございました。

金沢ラウンド誕生について
ゲストプロフィール
コーディネータプロフィール
開会あいさつ
福光松太郎
プレゼンテーション
 荒川哲生
 川勝平太
 竹村真一
 田中優子
 野村万之丞
 松岡正剛
 大場吉美
 金森千榮子
 小林忠雄
 佐々木雅幸
 水野一郎  
 米沢 寛
全体会議のまとめ
委員長総括
実行準備委員会