■金沢創造都市会議プレシンポジウム誕生について
●金沢創造都市会議実行準備委員会委員長 福光松太郎
 平成8年6月、安江良介氏(当時岩波書店社長)を迎え、金沢経済同友会創立40周年記念事業の企画会議が開かれました。「21世紀は都市機能の充実が重要課題であり、金沢は21世紀型都市のモデルとして世界に向けて先導的役割を果 たすことができる都市をめざすべき」との氏よりの提言をキーワードに、金沢において、経済、文化、環境、福祉等、都市における諸問題をテーマにした国際会議を継続的に開催し、会議の成果 を国の内外に向けて発信することにより、世界都市金沢の存在も高まるであろうとの考え方にもとづいた「金沢ラウンド」(プロジェクトの総称)の企画がスタートしました。
  金沢ラウンドの考え方はその後幾度もの議論を経て、平成9年4月の40周年記念式典で初めてお披露目され、正式名を金沢都市文化会議と称し、「世界から創造的な人々が金沢に集い、都市文化、都市政策について論じ、語り合い、交流し、21世紀の世界の都市問題解決に寄与する提言を発表する、世界の都市に向けた、ひらかれた継続的国際会議」と定義され、2001年度の第1回開催に向けた準備スケジュールや、会議の構成案、事務局のあり方なども明確にされました。その後の議論で、都市文化という概念が広すぎること、どのような都市を対象とするか、その範疇があいまいであること、参加者にメンバーシップを与える拠り所が弱いこと、そもそも21世紀型都市とはどんな都市をいうのかといった議論を重ねてきました。
  現在の金沢ラウンドは金沢創造都市会議という正式名称にリニューアルされています。力のある都市は21世紀型の創造都市(Creative city)をめざすことが、これからの都市の未来を拓く必要条件であるとの考えから、世界の創造都市あるいはその候補都市をその対象とすることになりました。創造都市という場合は、その柱を経済から芸術、芸能にいたるまでのひろい範囲で都市の将来のあり方をデザインすることが可能です。同時にこの創造都市という概念を大切にし、この分野の研究をさらに進めるためにも、この国際会議の核の組織として創造都市学会という開かれた柔らかな学会を設立する予定です。どのようにこの学会を作り上げるかはこれからの課題ですが、こうすることによって金沢ラウンドのメンバーシップという考え方がより明確になります。世界の学会がこれまでのような学者の集まりだけであった時代から、産学官芸の集う、よりマルチステートスタイルに変化しつつある状況も、金沢ラウンドにとっての追い風です。
  1999年3月に第1回のプレシンポジウムが開催され、手始めとしてバーミンガムとアムステルダムから講師を迎え、ボローニャと金沢の事例も含めて議論が行われました。運営などについてのシミュレーションを含め、今後の金沢ラウンドのあるべき形なども検討し、2001年度の開催への大きな試金石となりました。
金沢ラウンド誕生について
ゲストプロフィール
コーディネータプロフィール
開会あいさつ
福光松太郎

プレゼンテーション
 荒川哲生
 川勝平太
 竹村真一
 田中優子
 野村万之丞
 松岡正剛
 大場吉美
 金森千榮子
 小林忠雄
 佐々木雅幸
 水野一郎  
 米沢 寛
全体会議のまとめ
委員長総括
実行準備委員会