創造都市として21世紀にもっとも重要なことは

Sargent
まず、皆さんが考えていることは、1989年に私たちが行ったことと非常に似ていると思います。そういう意味では、私が提出したものが何かに役立つと思います。90年代にバーミンガムで行われたことを参考にしていただきたい。佐々木先生が、まちと地域(リージュン)が重要だとおっしゃいましたが私も同感です。それから、いくつかの言葉がありました。エキサイティングなものをつくるのは簡単です。ひとつのプログラムを永久的につくることも簡単です。ひとつは簡単なんです。大事なのは、維持可能なクリエイティビティをつくることです。維持可能なクリエイティビティというは、生産と消費を分けて考えるべきです。バーミンガムでも、クリエイティビティを保持可能なものにすることを達成したいと思っています。つまり、文化の幅も考えながらやっていくことが維持可能性を確保するために重要だと思います。文化、環境、経済も大事です。創造的な行動力として、社会のポテンシャルを広げていくものだと思います。個人的な意見としては、日本は初めてなのですが、この2日間の滞在で本当にすばらしい印象をうけました。いろいろな人たちを話をしたことも楽しい経験でした。そして、皆さんの寛容性に感動しました。これが非常に重要な展開のスタートだと思います。この場に参加して、バーミンガムを代表して話ができたことをうれしく思います。ありがとうございました。

Elshout
●伝統の重要性。創造都市をつくるというコンセプトは、非常にインスパイアディングだと思います。文化的なものに携わる者として、ぜひ握手をしましょう。そして、このようなディスカッションをお互いに続けていきましょう。ヨーロッパではこのような問題にセンシティブになり、この会議の結実を期待している人もいます。これからもコンタクトをとり、ディスカッションを続けていきましょう。

佐々木
●文化は放電すること、教育は充電することだと梅沢ただお先生がよくおっしゃっています。人は教育で充電し、文化という創造活動で放電するわけですが、私も創造都市会議ですっかり放電しきっていますので、来週からボローニャへ行き、充電したいと思っています。

富沢
●日本は明治維新以来、中央集権国家という形できましたので、御上がやってくれるからと非常に傍観者的になっています。金沢はすごくめずらしいエリアだと思います。今日、お集まりいだたいた方々は、自分のこととして捉えて発言されています。まさに、御上ではなく町衆として、市民の一人一人が自分たちのまちをよくしていくという気合いと実行力を持った、非常に数少ないまちだと思います。新しい時代のまちの運営の仕方を金沢から発信していただきたいと期待しています。